審査員 Interview

Gugen2013審査員 孫泰蔵さんインタビュー

今回は、Gugen 2013の審査員であり、様々なベンチャー企業を支援するMOVIDA JAPANを創業した孫泰蔵さんにインタビューを行いました。
孫泰蔵さんが考えるハードウェアの未来や、人の生活を変えるハードウェアを生み出すためのアプローチなど、作品作りのヒントになるお話を多く伺うことができました。

孫泰蔵さんについて

1996年東京大学在学中に、Yahoo!Japanのコンテンツ開発のリーダーとしてプロジェクトを総括。
その1ヶ月後インディゴを設立。学生起業家、インターネットベンチャーの草分けとして注目される。
2011年、「2030年までにアジア版シリコンバレーのベンチャー生態系をつくる」として、スタートアップベンチャー育成のシードアクセラレーターをMOVIDA JAPAN内に設置。
今後は国内外のベンチャー支援・育成に力を注ぎ、ベンチャーの活躍が、豊かな社会創造につながることを目指している。

モバイル中心の生活へシフト

この先の5年を考えたときに技術面で関心があるのは、モバイルですね。
インターネットに接続する端末がこれまでPCが中心だったのが、モバイルインターネットに移ってきています。
モバイルインターネットと言うと、現在はスマートフォン、タブレットが中心となっていますが、おそらく今後は通信チップが様々なものに内蔵されるようになると予測しています。
様々なものがインターネットにアクセスするようになり、これまで不便だったものが、楽しく、便利なものになっていく。これが今後5年で起こっていくことだと予測しています。

ローテク分野のスマート化

PCや携帯電話以外のものがインターネットにアクセス可能になると、これまでローテクと言われていた分野が、スマート化して便利になっていくのではないかと思います。
そこにはマーケットも存在しているはずです。
たとえば、スマートロック。
現在では、オートロックを導入しようとすると、カードキー型か指紋認証型しか選択肢がなく、これらの導入には百何十万円もの費用がかかります。
これだけの費用をかけなくとも、ほとんどの人が所持している携帯電話をうまく活用できるのではないかと思います。
NFCチップなどを使って、番号を登録しておくと、鍵もWi-Fiとつながっていて、携帯の番号を確認してロックを解除できる。
クラウドにつながった鍵、スマート化した鍵ができるとさらに便利になると思います。
こうした鍵といったローテクと言われている分野におけるイノベーションには可能性がありますね。

チップ、センサー、ロボットなど注目の技術領域

クアルコム、TIといった「チップ」を開発しているベンダーの話を聞くと、GPSやWi-Fiといったスマートフォンに内蔵されている機能が、ひとつのチップの中に組み込まれるようになっていて、費用も数十ドルでできるものが開発されつつあるそうです。
こうしたチップは量産化されると、さらに低コストになり、低コストになれば、色々なものに内蔵されるようになるはず。
あと個人的に気になっているのは、「ロボット」ですね。
実は、現在のスマートフォンはロボットを作るのに必要な要素はある程度詰まっています。カメラは目の代わりになるし、マイクは耳の代わりになり、スピーカーは口の代わりになります。
Siriのような音声認識や人工知能的なクラウドにつながったアプリケーションが登場しており、汎用的なものより、特定の用途に特化したロボットが今後増えていくのではと考えています。
そのほかにも、今世界ではセンサー革命と呼べる流れが起きていて、いろんなタイプのセンサーが開発されています。
センサーを活用したウェアラブルデバイス、という領域もとてもおもしろいですね。
Nike Fuelのような健康管理のためのリストバンドなど、さらに発展していくと思います。
コンセントに差すことで電力消費が可視化され、電気量を調整するデバイスなど、センサー技術が発達し、色々なものが可視化していくと考えられます。

帰納的アプローチと演繹的アプローチ

何かを生み出そうと思ったときに、二通りのアプローチ方法が考えられます。片方は帰納法的なアプローチで、もう片方は演繹法的なアプローチです。
何か技術があって、その技術を使って何が作れるだろうかと考えるのが帰納法的アプローチ。
まず課題があって、それをどうやって解決するかを考え、最適な技術の組み合わせを考えるのが演繹法的アプローチです。
帰納的アプローチと、演繹的アプローチを行き来しながら、スクラップアンドビルドを繰り返すうちに、驚くようなプロダクトができるものです。
クリエイターには、柔軟な発想と論理的な考え方の両方の考え方が大事なんじゃないかと思いますね。

市場性とアート性は高次元に両立させるべき

もちろん、クリエイターもビジネス面を考えることはすごく大切なことです。
もはや市場性を考えないアート作品でよい時代ではありません。
世界のトップアーティストは、どれだけの人に新しい価値観を与えられるか、ハッとさせることができるかを常に考えてモノを作り出しています。
彼らはより多くの人々の知覚にインパクトを与えることを考えているのです。
プロダクトとして世の中に出すのであれば、売れなければ仕方ないと思います。
モノが売れるということは、そのプロダクトの値段よりも価値のほうが上回っているということ。
それを考えなくても良いというのは言い訳にすぎない。
市場性とアート性はトレードオフのものではなく、高次元に両立させるべきものだと思います。

人の行動様式を変えるようなプロダクトに出会いたい

未来を変えるようなプロダクトは、人々の行動を変え、街中での光景を変えてしまうようなものだと思います。
今はまだ人々が気づいていないけれども、「すごく便利」、「とても楽しい」、「ワクワクする」といった、人々の行動様式、思考様式を変えてしまうくらいのインパクトを与えてくれるプロダクト。
そんなプロダクトを作ろうという高い視点を持っているクリエイターに出会いたいですね。

孫泰蔵さんを中心にGugen実行委員会メンバーと記念撮影をさせていただきました。

いかがでしたでしょうか。
未来を変えるインパクトを持つプロダクトを生み出すためのヒントは得られましたでしょうか。
技術にもとづくアプローチと課題にもとづくアプローチを使いこなすことで「未来のふつう」のヒントをつかみ、具現化することができるかもしれません。
具現化されたプロトタイプが完成しましたら是非こちらからご応募下さい!

様々なアプローチによって生み出された「未来のふつう」のご応募をお待ちしております!


ページ上部へ