Gugen2014 > 2014 応募作品一覧 > エントリーNo. 0125
作品概要
「描く」という行為は、我々にとって身近な創作行為のひとつであり、昔から定規やコンパス等の文房具によって支援されてきた。紙の上における手描きは、その手軽さや独特な触感、描きながらアレンジが可能であることなどの利点を持っている。一方で、コンピュータの発達により、ディスプレイの中では、簡易に正確な図形を描いたり、即座に複製することができるようになり、今ではその利便性から、CAD ソフトウェアなどとして広く一般に普及している。
このような背景から、我々は手描きとコンピュータによる描画の両方の利点をうまく統合させた描画行為をデザインする必要があると考える。具体的には、デジタル描画支援をディスプレイの中から解放し、コンパスという私たちが慣れ親しんだ文房具と融合させることで、これを実現する。
COMP*PASSの機能は大きく分けて、描画機能と複製機能の2点に分けることができる。
描画機能では、回すだけで多様な図形の描画ができる。スマートフォンなど他の端末と連携することで、ユーザによって描画する図形データの選択・編集が可能である。装着するペンは付け替えることも可能で、カッターを装着することで描画だけでなくデジタルデータの切り出しができる。
複製機能では、従来のコンパスの”測り取る"という使い方を参照することで、紙の上で図形のコピー&ペーストを可能にする。長方形、直方体、自由な曲線などの図形を入力することが可能な記録モードをデザインした。
デバイスはペンの半径を制御するためのサーボモータ、回転角度を検出するロータリーエンコーダおよびマイコンで構成される。他の端末と連携するためのBluetoothモジュールも内蔵する。
COMP*PASSは身近な道具にデジタル技術がシームレスに溶け込み、紙の上で人の手とコンピュータの両方が共存する未来を描く。
この作品のターゲットユーザーは誰ですか?
日常的な工作を行うMakerや算数や数学で幾何学系を学ぶ子ども、デザインや設計を行うプロのデザイナーまで 。
ターゲットユーザーにどんな価値を提供するものでしょうか?
身近な文房具であるコンパスにデジタル制御を加えることで、紙の上の描画作業において、これまでディスプレイの中にとどまっていたデジタル描画支援を受けることができる 。
この作品のバリュープロポジションは何でしょうか?
手作業とデジタル描画支援の両方の利点を持った描画作業を行うことができる。
- Ver.1
- Ver.2
- Ver.3
COMP*PASS
ジャンル ホビー・エンタメ / 教育・学習
by 慶應義塾大学筧康明研究室 web

中垣 拳
慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科修了
現在MITメディアラボ修士課程
http://ken-nakagaki.com/
筧 康明
慶應義塾大学 環境情報学部 准教授
http://www.xlab.sfc.keio.ac.jp/
ペン側にカメラをつけて、元画像のスキャンをしても面白いかも
芸術を専攻している者です。
とても素晴らしい製品だと感じました。
精度を上げて商品化までこぎつけて欲しいです。
デザインを志す人にとっては大きな助けになる、夢のように素晴らしい物ですね。私自身もこれがあればどれだけ課題が楽になるか…
ズレやすくなるとは思いますが、大きな立体も作れるようなバーの長いものが出来たら嬉しいです。
頑張ってください!